『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』は、月刊コミックゼノンにて連載されている荒井ママレ先生による人気漫画です。
4話は、流れで飲みに誘った豊中からみどりは瀬野の話を聞く事になります。
瀬野が転勤して来た5年前に起きた産科での事件。
その事件の真相が今の萬津病院の風潮を作り、みどりを更に奮い立たせます。
本記事では、『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』4話『資格の覚悟』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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アンサングシンデレラ4話のあらすじネタバレ
指導報告も終えて、翌日は待望の休みという事でみどりの目も輝き気分も上々です。
飲みに行きたいと思ったものの、仲の良い整形科のハク(羽倉)は断るだろうと思い同僚の相原くるみを誘おうと目を向けるも瀬野に相談タイムです。
しばらく掛かるだろうと判断して仕方なく帰る事にしました。
ロッカールームで会った豊中を誘ってしまったものの、店に着くなり緊張し出す始末です。
瀬野に連れて来て貰った事がある店とみどりが言えば、味は保証済みという豊中。
チャンスとばかりにゲスい顔で二人の仲の良さを指摘するみどりですが、転勤して来たばかり時に起きた『事件』の話を切り出され、瀬野の弱点でも握れるのかとみどりは目を輝かせます。
5年前、夜勤の瀬野の元に助産婦の倉本がやってきます。
33週目の切迫患者・矢島詩織が片頭痛と診断されたために痛み止めとして処方した『ロキソニン』を貰いに来たのですが、妊娠後期には禁忌であるとして、瀬野は疑義を行い『カロナール』に変更して処方しました。
電話対応した産科医は研修医の道場で、ギネ(産婦人科)の先生が不在なのか尋ねてみると、林先生はゲームばかりで研修医に任せっきりと倉本は教えてくれました。
夜間はどこも研修医が回すしか無く、ギネも林先生に辞められたら困るという事で強く言えないという仕方が無い状況も話してくれました。
倉本を見送り、矢島の検査結果を閲覧する瀬野は頭痛での鎮痛剤処方は初めてという事、昨日の検査ではAST(アスパラギン酸アミノ基移転酵素)・ALT(アラニンアミノ基転移酵素)が100前後まで上昇、PLT(血小板数)も基準値より若干低下という結果から片頭痛という症状を疑い始めます。
そこへ電話がかかって来ます。
産科の道場から処方されたカロナールが効かず、他の薬に行きたいという連絡でした。
他に症状は無いのかと瀬野が尋ねてみると、おなかが痛いのと気持ち悪い、目がチカチカするという訴えから片頭痛では無いと確信します。
上級医を起こすように指示し、瀬野は産科に向かいました。
ナースステーションで血圧計を借り、点滴の用意を指示して患者の元へ。
血圧を測り、170という数字に高くないかと指摘しても道場は妊婦高血圧で普段から高いと言いますが、瀬野はHELLP症候群(妊産婦に発症する産科固有の合併症)の可能性から、上級医を呼ぶように言いますが、片頭痛じゃ薬効かないのはしょうがないと言うだけだった林先生。
子燗(しかん……妊娠高血圧症候群によって妊産婦に起こる意識消失やけいれん発作)が始まっていたら帝王切開になり、研修一人で出来るのかと瀬野は問います。
持って来たマグセント(子宮収縮抑制剤)を流すか『道場先生』に問う瀬野に押され、流す事を決断した道場先生。
そこでやって来た林先生に、血圧が上がっている事から検査を薦める瀬野でしたが、『薬剤師』が自分の患者に勝手に触っている事から激怒します。
ですが、助産師の倉本・研修医の道場・そして自分というここにいる全員が患者を助ける為に動いている事を宣言します。
あんた以外はと。
自分にしか出来ない事をやってから医者を名乗れとタンカを切る瀬野。
検査からHELLPと診断されてそのまま緊急手術の末に母子ともに救われました。
しかし、それに納得いかない林先生は瀬野の行動から医師法違反の可能性を上に申立てます。
薬剤部長が平謝りした事からそのまま部科長会議で瀬野の越権行為ではないかという処分を決める会議まで行われました。
まだまだ薬剤師の医療現場への介入に理解が無かった当時、瀬野の味方をしてくれたのは倉本でした。
再三上級医を呼ぶように言っていた事、片頭痛が効かない事を疑問視して行動した事、点滴だって倉本が行い医療行為は行なっていない事を主張してくれます。
患者の矢島も瀬野の存在に感謝してくれている事からも、これがチーム医療だと感じたと倉本は言います。
そんな話があっという間に広まり、皆の意識も変わったという豊中の話に、みどりは号泣します。
すっかり気分も良くなったところで、今度は豊中に連れられて2件目に向かう二人でした。

アンサングシンデレラ4話の感想と考察
瀬野が主体の話だったせいか、専門用語が多い回だったような気がします。
各種説明を入れていますが、ASTやALTなど結局どういうものなのかというのは気になった方は調べてみてください。
病院ではなくとも、色々な会社や店でも本当にその仕事に向き合っているのかどうかというのが、見てわかる人はいると思います。
例えば、コンビニの店員なんかはやりたくないけど仕方なくそこで働き事務的に作業をこなすのか、ここでの仕事をやりたくてやっているのかもなんとなく伝わってしまう事も多いです。
病院の看護師さんや接客業なんかはもっと顕著にそれが表れるように思います。
患者の『命』と向き合う医療の現場では特に瀬野のような意識を持たなければいけないわけですが、この林は何のために医者になったのでしょうか。
あらすじでは省きましたが、その後居づらくなって辞めたと豊中の話にありました。
次の病院でもきっと駄目な医者のままでしょう。
この時の事件や、『医療』や患者に対する想いがあったからこそ、瀬野は1話のように先生に立ち向かうみどりを後押ししているのかもしれません。
瀬野のようになりたいとみどりは思っていますが、既にきちんとその背中を追えているように思えました。
ここまで読んで思いましたが、この作品はシリアス(通常)パートと雑談パートで見せる主にみどりの絵柄の描き分けが凄く効果的で、特に今回のゲス顔のみどりは可愛いです。
いや、ここまでの奮闘を見ているからこそ既にみどりを応援したくなっているのかもしれません。
今後も楽しみです。
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