2020年12月24日発売の週刊ヤングジャンプ 2021年4・5合併号で、『青年少女よ、春を貪れ。』2話が掲載されました。
『青年少女よ、春を貪れ。』2話は、前回から10年が経ち、すっかり勝之は社会人になっていました。
会社でも上手くやれていると思ったものの、恋バナはやっぱり苦手のようです。
それは、中学生の時のように恋愛がわからないからではなく……。
本記事では、『青年少女よ、春を貪れ。』2話『近藤は、ずっと』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
<< 1話 | 一覧 | 3話 >> |
青年少女よ春を貪れ2話のあらすじネタバレ
恋愛のことを何もわからずに百々瀬と付き合うことになってしまった勝之でしたが、百々瀬はそれから三週間後に亡くなってしまいました。
そんなことになるとは思いもしなかった勝之は、写真を撮っておけば良かったと、雪の中で頬を薄紅色に染めて笑った百々瀬を思い出しながら考えていました。
それが一緒に過ごす最後の冬だとは思いもしなかった勝之は、また撮れば良いかと思っていたのです。
それか10年後、勝之はすっかり社会人になっていました。
近藤はどっちが良いと思う? と仕事中にスマホの画面を見せて来たのは『シゲさん』と呼ぶ会社の先輩でした。
マッチングアプリで珍しく二人同時にメッセージが来てるとのことで、勝之にどっちを本命にしたら良いかを尋ねていました。
とりあえずやりとりを見せて貰ったものの、非常に申し上げにくいと前置きしつつ、勝之は両方成り済ましのネカマと答えました。
顔写真は画質が荒く、性に積極的なわりに頑なに通話は拒否するという点から明らかに怪しいと言います。
決定的なのは、21歳の女性とは思えないおじさん味溢れる文体でした。
そんな事は疑いもせずにシゲさんは返事をしようとしていたところでしたが、恋バナと思った女性社員の久野が混ざり話しはマッチングアプリから完全に恋バナに変わりました。
居心地悪そうにしている勝之は、手を洗いに行くという名目で席を外しました。
恋バナになるといつもあぁなるという久野は、誰にでも優しいけど奥手で恋愛とかしてこなかった人という見方をしていました。
シゲさんはそんな久野に対し、近藤の事を何も知らないと言いますが、対抗するように一緒に油そばを食べに行ったことで仲が良いことをアピールしますが、勝之が新人時代からの付き合いであるシゲさんからすればそんなのは全然とのことでした。
帰る途中で、スーパーに寄った勝之はキャベツ一玉98円、人参四本98円、小松菜一束78円と随分と安い野菜コーナーで弁当用のナムルを作り置きすることを決めました。
その後、本屋に寄ってみるとカメラ雑誌の最新号を見つけると、女性客の会話に目を向けました。
10年ぶりの新刊に、懐かしむ女性客達が見ていたのは勝之も読んだ恋愛小説の『雪の華』でした。
10年前を思い出し、本屋さんの窓際のテーブルで勉強している男女の学生達に当時の自分と百々瀬を重ねて思い出してしまいました。
百々瀬と向き合いながら勉強するも集中できない勝之に気付き、百々瀬は微笑み集中しよ? と声を掛けます。
我に返った勝之は、学生達が自分に対して不審者を見る目で見ていることに気付き、急いでその場を去りました。
妙に感傷的になってしまうのは、明日が『あの日』だからだと思いながら帰っていると、スマホに通知がありました。
それはハルからの着信でした。
先輩と同じく成り済ましに決まっていると思い無視しようと決め込みましたが、百々瀬との日々が頭を巡り応答してしまいました。
変なイタズラと決め込んで一息に相手が誰かを問う勝之でしたが、相手は期待通りの反応と笑い、中学で一緒だった音無紗衣子と名乗りました。
百々瀬と仲が良かった女子生徒で、勝之は覚えていました。
何でこんなことをしたのかと尋ねてみれば、勝之を試したと言う紗衣子。
勝之の反応でハルが死んだ日のことを打ち明けられると確信したそうです。
明日の20時に恵比寿に来てという紗衣子でしたが、どうして今更そんな話をするのか勝之には理解出来ません。
躓き、本を落としてしまい買った本のどちらも百々瀬が関係していたもので、たった三週間付き合っただけの彼女の死が、今でも過去に出来ていないことに気付きました。
キャンプ中の事故に遭って亡くなってしまった事を電話で知らされた勝之は、笑顔の百々瀬の遺影も忘れられませんでした。
家に帰ると、玄関には自分のものではない靴がありました。
千鶴という女性が部屋でくつろいでいて、実家に泊まるはずだったそうですが、勝之の顔が見たくなったとのことでした。
千鶴も雑誌を買ったことに気付いた勝之でしたが、会社の資料で使うもので変なアピールじゃないと顔を赤くする千鶴。
その手に抱えられていたものは、結婚式情報などが特集されている婚活雑誌でした。
先輩である近藤は、勝之にずっと付き合っている彼女がいることも知っていました。
青年少女よ春を貪れ2話の感想と考察
前回に引き続き、良い引きです。
恋バナが始まると居心地が悪そうに離席する姿を見て、未だに百々瀬を引きずって恋愛出来ないままなのかと思って読んでいました。
勝之が撮った写真が良かったから百々瀬のインスタのフォロワーが増えたことで、カメラに興味を持っている事や、恋愛を知るために読んでいた恋愛小説の続編を買うなど、今もまだ心が百々瀬に囚われているような描き方をしつつの最後に、勝之!? となりました。
しっかり彼女いるのかと驚きつつ、どうにも勝之には好きで付き合っているようには見えませんでした。
この千鶴さんという女性、部屋の中とは言え大人しそうに見えてタンクトップにショートパンツは随分と大胆な感じです。
3月26日が百々瀬の命日で、恐らく明日がその日なので、3月にその格好で結婚情報誌持っているのはアピールが過ぎないかと思いました。
普段からその部屋では格好なのかもしれませんし、大人しそうなビジュアルだから服装も大人しめでというテンプレ感が無いのは良いですね。
百々瀬からの着信があったとき、まさかのミステリー展開? と思いましたがあの紗衣子からの電話で、次回はあれから10年経った紗衣子がどう変わっているのかが見られると思います。
百々瀬を想い続けてももう叶いはしませんが、それでも、彼女がいたことはなんとなくショックでした。
<< 1話 | 一覧 | 3話 >> |