2020年12月24日発売の週刊ヤングジャンプ2021年4・5合併号で、『少年のアビス』38話が掲載されました。
『少年のアビス』38話は、デート中の令児とチャコの前に現れた担任の柴沢先生。
初顔合わせとなったチャコと柴沢先生はどんなやりとりが行われるのでしょうか。
本記事では、『少年のアビス』38話『救いの手』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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少年のアビス38話のあらすじネタバレ
ネットカフェを出た令児とチャコの前に現れたのは、担任の柴沢先生でした。
迎えに来たよと言う先生の元に、令児は駆け寄り由里と名前で呼び抱きしめました。
というのは柴沢先生の妄想であり、実際は声を掛けることすらせず無視して帰ろうとしました。
担任がなぜここにいるのかというチャコの疑問にも答えず、令児も同様になぜここにいるのかと理解が出来ませんでした。
そんな二人の前に立ちはだかる柴沢先生は、家まで送ってあげると言います。
光の無い目を向けられたことに恐怖すら覚えるチャコでしたが、令児が言った身体の関係を持ったナギ以外の女性がこの担任であると察しました。
無断欠席を続けている理由を尋ね、家まで言ったことを明かした柴沢先生でしたが、令児はただ『すいません』と言っただけで理由までは言いませんでした。
ずっと尾行していた事をチャコは察しましたが、それは口にはせず、頑なに車に乗るように促す柴沢先生の誘いに乗って、送って貰うことにしました。
ネットカフェの一室で、チャコは身体の関係を迫りましたが、チャコは特別だからこそやらないという令児の言葉を受けて、チャコは泣いてしまいました。
こうしてしまえば楽になれると思ったものの、まだ特別でいたいという想いで踏みとどまった二人。
『最低』の一言は令児に向けられたものではなく、チャコが自らに発したものでした。
車中で自己紹介を始めた柴沢先生は、チャコにも名前を尋ねます。
小学校からの幼馴染みと関係性も伝えると、高校を聞かれました。
紫葉女学院と答えると、柴沢先生は名門であることを認めましたが、この辺りからは遠いらしく普段は寮生活なのかと尋ねます。
バスと電車を乗り継いで通っていると答えていると、そんな話はどうでも良いと言わんばかりに遮り目指している大学を尋ねます。
その態度に若干顔を引きつらせながらも、東京の大学に行きたい事を伝え、二人で町を出ようと決めたことを伝え、令児にも同意を求めます。
その返事代わりに柴沢先生はわざとらしく急ブレーキを踏みますが、それは信号が赤だからと言うことでもありました。
振り返り、頑張ってと言う先生の顔にいよいよチャコは異質さを感じずにはいられませんでした。
家の近くまで来たとき、チャコと一緒に降りようとした令児ですが、無断欠席と今後について話があるということで、令児は降りないように言われてしまいます。
チャコにも最後は丁寧な挨拶でさようならと告げる先生でしたが、チャコは令児の手を引き車から降ろします。
無断欠席のことは既に謝ったことと、今後のことはちゃんと学校で話してくださいと強調するチャコ。
日曜日でデートの最中だと主張し、チャコもさようならと告げ車のドアを閉めました。
車から遠ざかり、チャコに謝る令児でしたが何も言わず平手打ちをお見舞いするチャコは、一発叩かないと気が済まなかったと言って謝ります。
学校を休んでいたことも知らなかったチャコは、理由があの先生にあると考えて付き合っているのかを尋ねました。
助けて欲しいと言ってしまったことを伝えると、チャコは手を差し出し、令君は私が助けるからとチャコは言ってくれました。
しかし、令児は勘弁してと言い、救われたくなんかないとまで言ってしまいます。
車中に残された柴沢先生は、一人、光の無い目で怒り心頭でハンドルを叩きました。

少年のアビス38話の感想と考察
冒頭、先生のもとに駆け寄る令児はチャコの好意が自分にこれ以上向かないようにしようとした演技なのかなと思いましたが、演技ですらなく、それは先生の妄想でした。
前回、チャコが発した『最低』という言葉は完全に令児に向けられたように描かれていましたが、そうではなく自分に向けられたもので、よりお互いの信頼を深めるものとなったものでした。
そうなるとネットカフェから出てきたあの重たそうな空気も意味合いが変わってくるので、前回を読み返してみるとまた違った見え方がしてきます。
今回、初顔合わせとなったチャコVS柴沢先生のやりとりでしたが、前回のナギVSチャコと違って、先生も女として令児に好意があるため車中の空気は非常に重たそうでした。
一見平静を装っている先生でしたが、表情や態度に加えて、描かれてはいませんが声のトーンまで想像出来てしまい、チャコが察した異様な雰囲気が読んでいても感じ取れました。
だからこそチャコは令児を車から引っ張ったのだと思いますが、今後のことは学校で話すべきですし、日曜日に担任という権限で拘束する事は出来ないと思うので、チャコの勝ちだと思いました。
救われたくなんかないと言った令児ですが、単純に助かりたくないというわけではなく、いつまでも自分が救われる側にいたくないという思いがあっての事だといいなと思ってしまいます。
この日は無事に済んだ二人ですが、狂気すら感じる柴沢先生が次はどう動くのかが怖くもあります。
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