2020年12月21日発売の週刊ヤングマガジン2021年4/5号で、『マイホームヒーロー』第121話が掲載されました。
マイホームヒーロー第121話は、唯一絶対と信じてきたものへの迷いが生じる月夜見が描かれます。
暗闇に包まれた村内を零花はひた走る。
村人たちはまだ零花が梨田と入れ替わっていることには気付いていなかった。
ただ一人を除いて…
本記事では、マイホームヒーロー第121話[見落とし]のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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マイホームヒーロー第121話のあらすじネタバレ
【村の細道】
付きの使用人・梨田と入れ替わり、祭りから逃げ出した零花。
外界とコンタクトを取るため、街灯一つない真っ暗な細道をひた走ります。
ふと背後に気配を感じ、振り返るとそこには月夜見が…
月夜見は零花を守り、監視するのが仕事。
ここまで零花の脱走劇をつぶさに見ており、跡を尾けていたのです。
零花は月夜見を見ても特に驚くでもなく、さもありなんといった気持ちでいました。
祭りの最中に月夜見の姿が見えなかったことから、密かに監視でもしているんじゃないか?と心のどこかで思っていたからです。
語気を強め、何か用かと月夜見に訊ねます。
てっきり謝ってくるものと思っていた月夜見は、零花の怒気をはらんだ言葉にビックリ。
怒りたいのはこちらだと零花に半ば呆れます。
すると今度は呆れるのはこちらだとばかりに、零花は母・歌仙が滝つぼに入水した時の感情をぶちまけるのでした。
あの時、もし母が浮かび上がってこなかったならどうするつもりだったのかと…
祭りの前に進行表を読まされていたため、歌仙が滝つぼに入水すること自体は零花は承知してはいました。
予定では歌仙は入水後しばらくして浮かび上がり復活するとなっていたのです。
ところが歌仙は1分、2分、…5分経っても浮かび上がってはきませんでした。
この時、母が溺れて死んでしまったのでは?このまま母を失ってしまうのでは?という恐怖と絶望を零花は感じていたのです。
零花の真剣な問いにも月夜見は呆れ顔のまま。
あんなことじゃオガミメ様(歌仙)は死ぬわけないのだから心配しなくても大丈夫だとキッパリ。
あんなこと?あんなことだと…
普通 人間が水の中で何分も潜っていられるわけないだろ…
こいつら(村人)は母をいったい何だと思って…
母を人間として見ず、自分たちにとって都合の良い偶像としか見ていないことを改めて思い知り、零花は激昂!
以前にジムで覚えたパンチ、キックを月夜見めがけて繰り出します。
しかし月夜見は零花のお守りを託されるほどの人物。
一通り武道は経験習得しており、零花の攻撃など余裕でいなします。
それでも零花は母はバケモノじゃない!人間だ!と声を荒げながら攻撃の手を止めません。
月夜見は零花がオガミメも同じ人間だとし、オガミメそのものを否定した発言は看過できませんでした。
なぜならそれは背信行為に他ならないからです。
これまで零花の攻撃に対して受け身に徹していた月夜見でしたが軽く攻撃に転じます。
簡単護身術やダイエット目的でジムに通う多くの女性同様、零花も攻撃ばかり覚えたせいで防御技術はほとんどゼロ。
簡単にカウンターを取られオデコに月夜見の掌底打ちを喰らって尻餅ダウン。
月夜見はすかさず零花の背後に回り、両手で零花の身体をガッチリとホールド。
零花は足をバタつかせ逃げようとしますが月夜見は微動だにしません。
腕の中で必死にもがく零花を見かね、月夜見は自分たちは歌仙と零花を救いたいだけなのだと言って聞かせます。
”あのような父親”がいる外の家にあなた方をこれ以上置いておくことは経典の教えに反しているのだと。
月夜見の言う”あのような父親”に引っかかる零花。
その意味を訊ねると月夜見は零花の実の父親である哲雄をあの男呼ばわりし、歌仙と零花を堕落させた”最低の男”だと答えました。
月夜見の言葉を聞いて零花の怒りはMAXに。
コキッ
何処で覚えたのか自ら肩の関節を外し、月夜見の両腕から強引に脱出!
月夜見を睨みつけ、父はそんなんじゃない!父は世界一カッコいいんだよ!と怒鳴りつけました。
零花の思いもよらない行動とあまりの迫力に月夜見はビックリ。
そんな放心状態の月夜見目がけて零花は猛然とダッシュ!
渾身の飛び膝!ジャンピングニーを月夜見の顔面にお見舞いさせます。
ドタッ
前のめりに倒れ込む月夜見…
薄れゆく意識の中、外の世界で哲雄一家を監視していた時のことが頭をよぎります。
自分はあの一家を見ていたようで見えていなかったのではないか?
正しいか正しくないかなんて基準は”絆”には当て嵌まらないものなんじゃないか……
意識を失った月夜見を尻目に、零花は肩を押さえながら先を急ぐのでした。
マイホームヒーロー第121話の感想と考察
前回の終わり方があまりに劇的だったので今回かなり期待していたんですが、肩すかし感がハンパありませんでしたね。
哲雄が教祖・郷一郎をいかにして利用するのか非常に楽しみだっただけにちょっと残念。
でも全く姿を見せていなかった月夜見の動向も気になるところではあったので、相殺とまではいかずとも、これはこれでちょっとスッキリしたことも確か。
月夜見はやはり零花にとって何らかのヘルパーになることが今回でほぼ確定でしょう。
つまり今回はその伏線。
哲雄にとっての小沢がそうであるように、この後、意外なところで活躍してくれそうな気配が濃厚です。
これで月夜見が教団からの束縛・呪縛を離れることになれば零花の味方につくことは必然。
零花にとって星の王子様ならぬ、村の王子様になることだって可能でしょう。
だいたい日本神話において重要な”ツクヨミ”という名前を作者に与えられていますからね、悪者で終わるハズがありません。
月夜見の動向がわかったことで主要キャラたちの動きがこれでだいたい出揃いました。
詳細な動きはまだこれからなので何とも言えませんが、哲雄がどれだけ非情になれるか、悪魔になれるかに注目したいと思います。
自分たち以外はどうなっても構わないという確固たる信念、非情さを持たなければ哲雄たちは負けてしまうからです。
なんせ教祖も窪もその点はすでに何十年も前から確固たる信念を持っている”悪魔”の先輩ですから。
けれど哲雄もなり立てとはいえ、今や教祖や窪と同じ悪魔のはずです。
先輩後輩関係なく容赦ない悪魔っぷりを見せてもらいたい。
ただ最終的に悪魔(哲雄)に勝利の女神(歌仙・零花)が微笑むラストは想像に難くありませんが、それって何とも皮肉な構図ですよね。
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