2020年12月7日発売の週刊ヤングマガジン2021年2・3合併号で、『1日外出録ハンチョウ』83話が掲載されました。
『1日外出録ハンチョウ』83話は、いつもの3人で外出した今回。
ふとしたことから沼若の弟と会うことになりました。
次々に暴露される沼川の過去と、男兄弟のちょっといい話です。
本記事では、『1日外出録ハンチョウ』83話『兄弟』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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1日外出録ハンチョウ83話のあらすじネタバレ
この日、外出した大槻はベッドでストレッチ、沼川はパソコンを開きネット、石和コーヒーを飲み、格安ビジネスホテルの一室で3人それぞれにくつろいでいました。
パソコンを見ていた沼川は、なにやら驚きの声をあげました。
大槻がその理由を尋ねると、昔作ったツイッターのアカウントを見てみたら、弟からのメッセージがちょっと前にあり、転勤で東京にいるから会わないかという内容だったようです。
困惑する沼川と対照的に、石和も大槻も会う事に賛同してくれました。
翌日という急な日程にも関わらず、沼川弟の予定も開いていた事から3人で会いに行く事になりました。
かれこれ6・7年ぶりに会うという沼川弟は、兄が現在は地下で働いている事など知りもしません。
帝愛の規約的にも言えないと大槻が話していると、弟の大生がやって来ました。
髪を染めている弟に戸惑っている沼川ですが、それ以上に大槻が戸惑っているのは久々の再会というのにあっさりしていることでした。
居酒屋に入り、大槻と石和が上司と同僚である事と説明すると、兄がお世話になっていますと実にしっかりした対応をする大生。
それに対し、弟の分際でやめろと沼川は冷たい態度です。
顔も声も似ていると言う大槻ですが、沼川は納得いかない様子でした。
大生は数年間音沙汰もなかった兄がちゃんと生きていた事に喜んでいるようでしたが、当たり前だろバカかと、やっぱり冷たい態度は変わりません。
大槻にその態度を突っ込まれても調子に乗るからと、沼川は一向に態度を変えようとしません。
兄がいない大槻は、弟に対してぶっきらぼうで当たりが強いのは男兄弟にとって日常であり、それほどまでに兄は弟にとって絶対的存在でもあります。
そんな過酷な環境で育った弟である大生は、転職しようかと思っていることを大槻と石和に相談を始め年上との間の取り方が上手くすぐに可愛がられがちでもあるようです。
昔の自分に似ているとまで言い出す大槻に、ポテトを勧める石和とその気に入られように兄の沼川は調子に乗るなと言いますが、大槻に宥められては反論も出来ません。
小さい頃からずっと虐げられていたと言い出す大生に、優しかったと反論する沼川は『デジモン』をあげたと主張しますが、バグ技をやり過ぎて壊れたやつと反論され、挙げ句の果てに格闘ゲームの必殺技を弟相手に全キャラ分再現という遊びまでされたことを暴露され、大槻と石和は若干引き気味の様子です。
まだまだ暴露は止まらず、ゲームをやるときも初心者の大生に対し、最大レベルのCPUを味方に付けて3VS1でボコボコにして大爆笑していたという過去に、2人は完全に引いていました。
話は盛り上がり続けましたが、久々の再会が楽しかったせいか酒のピッチが早い沼川は寝てしまいました。
そんな隙を見て、大生は昔、兄に借金があったことを告げました。
昔ということから完済したと大生は思っているようですが、今でも沼川はその借金の為に地下で働いています。
大槻は帝愛の規則と沼川の事情を鑑みてあえて知らないふりを通しました。
大槻も初耳の、親と絶縁中である事まで暴露した大生は、家業である酒屋を継がずに東京で歌手を目指すと言い家を出て行ったと言いました。
歌が上手くもないことから大槻と石和は戸惑いましたが、大生は借金で親に迷惑が掛からないように喧嘩して絶縁するための嘘だったと思っているようです。
家業を継ぎたくないと言っていたことから本心もあるようですがと笑いながら、この日の元気そうな兄の姿に大生は安心したようです。
大槻と石和に面倒なところもある兄キをよろしくしてやってくださいと挨拶し、大生は帰って行きました。
迎えの車の中で目を覚ました沼川は、勝手に帰ったことに不満があるようで、昔から自由で勝手と愚痴をこぼします。
しかし、弟の苦労兄知らずと沼川兄弟に対し大槻は微笑ましく言いました。
幼き日々から弟の姿が兄の中で更新されないもので、それもまた男兄弟なのです。
1日外出録ハンチョウ83話の感想と考察
男兄弟の形が本編中でも書かれていましたが、各家庭や兄弟間でも様々あるので一概には言えませんと、まず注意書きとして書いておきます。
もしかしたら弟の方が強い兄弟もいるかもしれませんし、しょっちゅう会っているから弟の姿が更新され続けている兄弟もいるかもしれません。
でも、格闘ゲームやプロレスの技を弟に掛けたり壊れたおもちゃをあげたりという話はよく聞く話でもあります。
今回は退屈そうな3人の姿から始まりました。
以前、mixiから沼川が思い出を掘り返していた回があったような気がしました。
沼川はSNSをよくやる世代のようですが、地下に落ちた事でその全てが止まったのでしょう。
ある日全てのSNSどころかネットも出来なくなったら現代人には辛い環境かもしれません。
以前、2泊3日程度の入院でもパソコンを持って行こうとした自分が言うのもなんですが、ネット環境を地下での強制労働よりもネット環境を取り上げられる事の方が辛いような気がします。
自分も弟がいるので、今回の話を見て思い出しましたがもう十年以上も会っていないので再会しても完全に他人のような気がして沼川兄弟ともまた違う雰囲気になりそうです。
今回は沼川のちょっと良いお話でした。
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