2020年11月30日発売の週刊ヤングマガジン2021年1号で、『マイホームヒーロー』第120話が掲載されました。
マイホームヒーロー第120話は、零花がいかにして祭りから抜け出したかが描かれます。
歌仙のオガミメ再降臨劇がクライマックスを迎えていたまさにその時、零花の脱走が皆にバレしまう。
街灯一つない暗闇に包まれた村内を零花はひた走る。
一方、天照と郷一郎は村人たちに零花捜索を命令。
村内に異変を感じ取った哲雄は…
本記事では、マイホームヒーロー第120話[すまない]のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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マイホームヒーロー120話のあらすじネタバレ
【滝つぼ(数分前)】
天照が零花脱走に気がつく数分前のこと…
零花は目の前で繰り広げられるショーの最中、自分の頬の内側をかみ切り、血液を唾液と混ぜながら口内に溜めていた。
同じ場所を何度も噛んで口の中が鉄の味で染まるのを待ち、お付きの巫女である梨田がどこにいるかを確認。
確認後、口内に溜めていた血液を両手に吐き出し、それを穿いている袴の股の付け根部分に滲み込ませた。
白装束、暗闇でもその赤滲みは否応なく目立つ。
村人の視線が歌仙に集中しているのを見計らい、零花は梨田のもとへ。
二人は人目の無い岩陰に移動。
梨田には今日生理がくるかもしれないと知らせており、もしもの時のため着替えを用意させていた。
零花は梨田から代わりの服を受け取り、血で汚れた白装束を脱ぐ。
梨田は零花が白装束の下に普段使いの服を着ていたことに驚く。
零花は寒かったから下に着ていたと説明するが、もちろん嘘。
脱走する際に身動きが取りやすい服を下に着こんでいただけのこと。
零花は次に急にお腹が痛みだしたと梨田に訴える。
痛い痛いとお腹を抱えうずくまる零花に梨田はアタフタ…
零花はしばらくこの場で痛みをやり過ごすと話し、その間だけ梨田に自分の身代わりとなって祭り出てくれるよう懇願。
予想だにしていなかった展開に梨田はさらにアタフタ…
そんな梨田に零花は今 自分がいないことで祭りが失敗にでもなったら梨田の責任だと声を荒げる。
自分のせいで祭りが失敗に!?
零花の脅迫めいた言葉でプチパニックに陥った梨田は何が何だかわからぬまま言われた通りに。
梨田は束ねていた髪をほどき、零花の着ていた白装束に着替えて零花になりすまし、急ぎ祭りに戻る。
この隙に零花は滝つぼから流れる川に沿ってこの場から離れることに成功。
こうして零花は脱出劇をスタートさせたのです。
零花が逃げ、戻った零花(梨田)が偽物だと天照にバレるまでのこの間およそ9分…
【滝つぼ(現在)】
村人たちが歌仙のオガミメ再降臨ショーに酔いしれていたまさにその時、零花が逃げたことが発覚。
ざわつく祭り会場で最初に動いたのは洋二。
部下に総動員で零花を見つけ出すように指示。
同時に零花の付き人兼護衛の月夜見の動きも探りますが、その姿を確認することは出来ませんでした。
次に動いたのは天照と郷一郎。
天照は金切り声を上げ、村人たちに零花を取り押さえるよう命令します。
祭りに泥を塗りおって!と鬼気迫る形相の天照とは対照的に、教祖・郷一郎はというと何故か余裕の笑み。
零花の脱走はまるでデジャブのようだと、過去に歌仙がしていた脱走と重ね合わせます。
郷一郎は笑みを浮かべつつ、大声で昔 歌仙も同じことをしたが村の教えを理解してオガミメになったと話し、零花も教えを理解する日が必ず来ると村人たちに断言。
それまでは我々はいつも通り皆でその度 連れ戻そうじゃないかと語りかけるのでした。
こうして昔を知る村人たちは郷一郎の激で、若者たちは天照の号令で零花の大捜索が始まったのです。
【窪】
村の様子を見下ろせる場所にいた窪は異変をすぐに察知。
村人が何かを探してそこら中を歩き回っていることを無線で部下たちに連絡し注意を促します。
半グレたちは窪の指示で各潜伏場所にて待機。
【哲雄】
滝つぼからほど近い場所にある歌仙が軟禁されていた蔵。
哲雄は蔵の裏手で身を潜めていました。
滝つぼからぞろぞろ戻ってくる村人たちを見て、祭りに何かしらの異変が起きたのではないかと推察。
以前見た祭りの進行表では、祭りはあと1時間は続くはずであったからでした。
何かトラブルがあったのかもしれないと、協力者である小沢にLINEで知らせます。
それは自身が考えた計画をスタートさせる可能性があることを告げるもの。
その後、哲雄は麦わら帽を目深く被り、ざわつく村人たちに紛れ込んで情報を収集しつつ、滝つぼへと向かいます。
道中 村人たちの会話から零花が逃げた事を知る哲雄。
しかし零花を助けに向かうことはできませんでした。
なぜなら滝つぼに到着した哲雄の視界に、郷一郎が飛び込んできたからです。
それも騒ぎによって取り巻きたちが平時よりわずかに減った無防備な状況の郷一郎が…
マイホームヒーロー120話の感想と考察
零花がどうやって梨田に身代わりを頼むことが出来たのかが謎でしたが、これでスッキリしました。
この脱走計画は梨田という存在があってはじめて成り立つもの。
零花は梨田と会った時に細かな計画とまでいかなくとも、ぼんやりと身代わりに使えるかも?くらいまでは考えていたのかもしれませんね。
多くの読者は梨田登場時にやけに零花に顔から背格好まで似ているキャラだなとは思っていたはず。
私もそうです。
ですから零花じゃありませんけれど、入れ替わりを想像しないこともありませんでした。
ありませんでしたが、洗脳されている梨田をそう簡単に協力者には出来ないだろうと考え、入れ替わり案はないだろうと思ってましたね…
洗脳を解くでもなく、梨田のある意味無垢な性格を利用して協力者に仕立て上げるとは参りました。
さすが哲雄の娘です。
このあと零花は警察に連絡する手段を探すと思われます。
自力で一気に山の麓まで下りて警察と連絡を取るのか?
歌仙か自分の持っていた携帯など、村内にある連絡手段を探し回るのか?
いずれにせよ、零花ひとりで何かをするには力が足りないと思われますので、協力者が現れるのではないでしょうか。
その候補は月夜見と小沢でしょう。
零花の護衛兼付き人にもかかわらず、祭りの最中に月夜見の姿は何処にも見当たりませんでした。
このことから月夜見は何かしらの使命をおびている最中だと思われます。
それが零花から頼まれた使命なのか、別の誰かからなのか、自らに背負わせたものなのかはわかりませんが…。
そして小沢ですが、今の小沢には哲雄を使って目的を果たす以外に道はありません。
哲雄同様に村人たちの会話から零花脱走を小沢が知ったとしたらどうするでしょうか。
窪殺し成就のために零花を利用することを考えても不思議ではありません。
この期に及んで哲雄を脅す可能性は限りなく低いとは思いますが、窪殺しをより確実にするために零花を使うかもしれませんね。
さて哲雄ですが、あの場でいきなり郷一郎を殺すとは思えません。
その可能性もありますけれど、教団と半グレに潰し合いをさせるのが”悪魔”哲雄の狙い。
哲雄が小説家志望だったということは、ある意味エンタメ業界に興味を抱いていたということ。
零花以上に巧妙でより劇的な展開を頭で描いているはずです。
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