2020年11月21日発売の週刊ヤングマガジン2020年52号で、『何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?』3話が掲載されました。
『何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?』3話は、クマとともにこれまでの繰り返しを振り返る信長。
しかし信長にはどこも反省すべき点が見当たりません。
この輪廻を抜ける為の絶対のルールを助言するクマ。
無理難題を押しつけられながら、再び転生は始まってしまいました。
本記事では、『何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?』3話『本能寺の検』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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何度時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが3話のあらすじネタバレ
何度繰り返しても上手く行かない信長は、クマのいる異空間で膝を抱えてしまっていました。
本能寺からの脱出を試みたものの、石につまずいて落ちていたクワにどーんと頭をぶつけて死んでしまったという、あまりにもマヌケな死に方にショックを隠しきれない様子でした。
クマもそれにはひとしきり爆笑した後、原因を突き止めない限りで出ようとしても本能寺で必ず死ぬことになっていると言います。
クマの胸ぐらをつかみ、答えを言えという信長ですが、これは試練であり自分自身が理解して解決しなければ何の意味も無いと言います。
生地が伸びるから離せと言うクマに対し、信長は素直に手を離しました。
クマの正体はただ利害が一致している存在とだけ言われ、これまでの失敗を検証する事になりました。
突然現れたモニターの中には、信長が復活する軍議の場面が映っていました。
これまでの信長の行動が映し出されていくと話すクマですが、中にこびとがいると大興奮の信長は茶器と交換しろとモニターを欲しがります。
家臣に親を人質に出せば良いと言っている場面が映し出され、客観的に見た印象を聞かれる信長。
良い男だと自画自賛する信長ですが、うるせぇよとクマは一蹴します。
全部最低と言われ納得のいかない信長でしたが、次は勝家に対し脳筋ヒゲだるまと言った場面です。
咄嗟に出た『脳筋』という言葉に、斬新秀逸と自画自賛の信長ですが、それにはクマも先見の明はあると認めます。
家臣の話を聞く気がないと言うクマに対し、自分ではなく他に要因があると信長は言い始めました。
しかし、これまでの謀反は全て家臣による裏切りであり、なぜそうなるのかと言えば『ブラック君主』だからだと断言します。
その言葉にピンとこない信長。
下の人間の人格や人権に配慮せず劣悪な労働環境を強いる真っ黒組織の代表であり、無理強いを言い渡し、部下の熱意を無下にした挙げ句に罵詈雑言を浴びせる……とこれまでの行いを振り返ってクマは言います。
信長はそれの何がおかしいと、自分の行動に一切の疑問もありませんでした。
家臣とは当主のために全てを捧げて尽くすものであり、生殺与奪を含めて当主の意のままにあるものと言う信長。
つまりは道具であってそれ以上でも以下でもないと言い切ります。
下手に出たらそれこそ寝首をかかれると笑う信長ですが、幾度となく寝首をかかれたことを指摘されるともう笑っていられません。
道具に殺された馬鹿な当主と煽りに煽るクマ対し、モニターを投げつける信長。
ついにクマは助言をしてくれることにしました。
信長が待ち望んだそれは、『誰一人として人間を殺すな』というもので、絶対のルールだとクマは言いました。
納得のいかない信長に、家臣を殺す当主に信頼はおけないと言います。
運命の輪廻を抜け出し、黒が白に変わる為にはこれくらいは必要と言うも、信長は全く理解出来ません。
目指せホワイト君主とクマが言うと、再び転生が始まります。
誰一人殺さないという言葉を噛みしめながら軍議中の家臣を見ると、光秀を見つけるなり既に殺したくなってしまう信長でした。
何度時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが3話の感想と考察
『ブラック君主』と言うワードから、この作品の意図がただのギャグ漫画ではなく、現代社会のブラック企業を揶揄したものなのかもしれないと思いました。
信長のいう家臣(社員)は道具という発想は、まさにブラック企業のそれであり、このブラック企業の社長がどうホワイトになっていくのかという観点で見るとまた違った見方が出来て面白くもあるのかなと思います。
こういったブラック企業の在り方はもう古いというメッセージも込められているのかもしれませんし、考えすぎかもしれません。
今回は繰り返すことなく、これまでの振り返りから次につなげるという回でした。
今でこそ普通に使われるようになったので『脳筋』という言葉に対して何の疑問も持たずに読んでいましたが、この時代にしては確かに先見の明がある言葉でした。
クマの正体は信長と利害が一致する存在ということでほんの少し謎が明かされましたが、まだまだその正体はわかりません。
現代的観点のクマと、当時の観点しか持たない信長とでは家臣と君主の考え方も違うと思いますが、当時の家臣は本当に全てを君主に捧げようと生きてきたのかはわかりません。
本気でそう思っている人もいれば、やはり違う人もいるでしょう。
ゲームでは『魔王』と称される作品もある信長ですが、やはりこの作品で描かれてきたその暴君ぶりはその時代でも特異なものだったのでしょうか。
クマも魔王と口にしていましたが、このブラック君主の本当のリスポーンは次回から始まるのかもしれません。
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