2020年11月2日発売の週刊ヤングマガジン2020年49号で、『センゴク権兵衛』192話が掲載されました。
センゴク権兵衛192話は、豊臣関白太政大臣秀吉はポルトガル領にいるインド副王への手紙を作成したが、その内容は余りに恫喝的なものでした。
その手紙の写しを入手したオルガンティノは前田民部卿玄以と黒田官兵衛孝高にその事を伝えると、黒田官兵衛孝高は外交的譲歩を引き出すための恫喝だと言いつつ、諸外国に通用するかと懐疑的だったのです。
この密議の数日後、豊臣関白太政大臣秀吉の嫡男の鶴松が命を落としました。
果たして、この事が豊臣政権にどのような影響を与えるのでしょうか。
本記事では、センゴク権兵衛192話『夭折』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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センゴク権兵衛192話のあらすじネタバレ
天正19年1591年7月25日、豊臣政権はポルトガル領にいるインド副王に対して送る書簡案を作成します。
その内容は余りに恫喝的だったので、手紙の写しを入手したジュアンとオルガンティノは前田民部卿玄以と黒田官兵衛孝高に密かに会い、この事を伝えたのです。
手紙の内容は明国を征服する事、バテレン布教を禁止にする事、貿易を許可する事が書かれていました。
しかももし許可なく布教すれば全て滅ぼすとも書かれていたので、オルガンティノは狼狽したのです。
黒田官兵衛孝高は、外交的譲歩を引き出すための恫喝ではあるものの、諸外国との交渉で通用するか否かは分からない、と言います。
前田民部卿玄以は、自分達が豊臣関白太政大臣秀吉に進言して何とかする事でいいか、と黒田官兵衛孝高に言うと黒田官兵衛孝高は了承したのです。
ジュアンは、恫喝を諫言出来ないか、と聞くと黒田官兵衛孝高は、それ自体は困難だが善処はしてみる、としか答えませんでした。
この密議の数日後の8月5日、豊臣秀吉の嫡男である鶴松が夭折しました。
豊臣関白太政大臣秀吉は将来鶴松と乗る予定だった安宅船を見ながら心の中で、自分の経験上この苦しみは時を経れば和らぐのは分かっているが、全然時が進まない、と思っていたのです。
同時に、本来はこんなはずじゃなかったのに、茶々が子供が欲しいといらない事を言ったせいだ、と心の中で思う豊臣関白太政大臣秀吉。
そして、豊臣関白太政大臣秀吉は数人の者達と共に有馬の湯治に行きました。
大政所は北政所に、気遣わないといけないのは茶々の方だから出家は待ってほしい、と頼んでおり、北政所は、豊臣関白太政大臣秀吉は理不尽が起こると人のせいにしてしまう、と言ったのです。
この言葉に対して北政所は、茶々を気遣う者が一人もいないのは気の毒だ、と言いました。
それから北政所は茶々がいる部屋へと向かうも、そこにいたのは大野氏だけでした。
大野氏は、茶々は奥に引き籠っている、と伝えると北政所は、御身を責めないように伝えてほしい、と言います。
田屋氏は北政所に、豊臣関白太政大臣秀吉は何処へ行ったのか、と聞くと北政所は何も答えませんでした。
その様子から何となく察したのか田屋氏は、豊臣関白太政大臣秀吉が何も言わないのでは茶々が不憫だ、と言うと大野氏は、慎め、と窘めます。
北政所は、構わない、と言ったので田屋氏は、茶々が子供を求めたのが悪いのか、と言いつつ、北政所に八つ当たりした自分は磔になっても構わないけど自分達は浅井家の者達だから豊臣家の中では肩身が狭い思いをしなければ生きていけない、と言ったのです。
対する北政所は、豊臣関白太政大臣秀吉が命を落とした後も決して浅井家の者達を無下にしない、と言うと竜子がやって来て、自分が茶々と話をする、と言って部屋へと入ります。
そして茶々から懐刀を取り上げると、奪い返そうとする茶々に対して、豊臣関白太政大臣秀吉もそうだし、他の男もいざとなったら逃げだすの、と言って去っていったのです。

センゴク権兵衛192話の感想と考察
息子が亡くなってしまった事は豊臣関白太政大臣秀吉にとってもショックでしょうし、きっと豊臣権中納言秀長よりもショックだったに違いないでしょうね。
しかし、田屋氏が言っているように一番つらいのはお腹を痛めて鶴松を産んだ茶々だと思いますね。
茶々からしてしまえば、自分が丈夫な子供を産まなかったせいで鶴松は命を落としてしまったし、天下人である豊臣家の跡継ぎを自分の手で始末してしまったと思い込んでいるでしょう。
本来なら夫である豊臣関白太政大臣秀吉自身が茶々を励まさないといけないのですが、それをしなかったので田屋氏や竜子が憤慨するのは分かるなと思いますね。
次回は、豊臣関白太政大臣秀吉が明国への出兵準備が本格的になると思います。
今の豊臣関白太政大臣秀吉は湯治をして心の傷を癒そうとしていますが、その程度で息子の死を消すのは難しいと言わざるを得ないでしょう。
それ故に悲しみを一時的にでも消せる手段があるとすれば、明国への出兵になるのではないかと思います。
そのための準備を豊臣関白太政大臣秀吉自身が奉行衆と共に推し進め、その間に鶴松の死を忘れようと努めるのではないでしょうか。
同時にそれに振り回される事になる奉行衆や家臣達にとっては、気の毒だなと思いますね。
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