2020年10月26日発売の週刊ヤングマガジン2020年48号で、『アルキメデスの大戦』第239話が掲載されました。
『アルキメデスの大戦』第239話は、”ある作戦”についての兵棋演習に櫂が参加させられます。
連合艦隊は高知沖で大演習を実施。
演習では各将官たちの指導能力が試されることとなり、否が応でも気合が入る演習となっていた。
そんな中、司令長官・山本の命で戦艦「長門」にて兵棋演習が行われることに。
櫂を待つ演習部屋には巨大な模型が用意されていた…
本記事では、『アルキメデスの大戦』第239話[兵棋演習]のあらすじと感想を紹介していきます
※ここから先はネタバレ注意です。
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アルキメデスの大戦239話のあらすじネタバレ
【 呉・海軍造船場 】
横浜で建造中の戦艦「大和」とはまた「別の大和」が呉で建造中でした。
この「別の大和」を設計したのは平山。
嶋田と山本の後押しのもと、極秘裏に建造が進められていたのです。
それは山本と平山、双方のエゴが「別の大和」を求めたからに他なりません。
平山は自身の優位性の証明、誇りを守るため。
山本は軍人としての性に縛られ、固執しているため。
いずれにせよ、それは日米戦ありきの考えであることに変わりはありません。
平山は櫂の「大和」が公試運転でまともな結果を出せるはずがないと見込んでいました。
櫂は責任を問われ失脚し、戦艦も「大和」の名を外されるに違いない…
結果 自分の作る戦艦に「大和」の名が戻る…
つまり自分の勝利、ついに櫂に勝つ時がくるのだ!
平山は建造中の「別の大和」を見つめ、横浜の「大和」に取って代わり、いずれこの戦艦が「真の大和」となる日が必ず来ると信じて疑ってはいませんでした。
【 高知沖 】
1939年(昭和14年)12月2日
連合艦隊は洋上演習のため高知沖に集結。
この演習では定例人事で異動した将官の指導能力が試されることもあり、否が応でも気合が入る演習となっていました。
【 戦艦「長門」 】
連合艦隊旗艦である「長門」では兵棋演習が行われることに。
この兵棋演習を企画したのは司令長官・山本。
「長門」に各将官たちが集められ、櫂も兵棋演習に参加するよう求められます。
櫂は乗り気ではありませんでしたが、断るわけにもいかず渋々出席。
演習場所である部屋にはすでに山本をはじめ参謀の黒沼や将官たちが大勢集まっていました。
部屋の中央にある巨大な机を取り囲む将官たち。
机の上には何か地形の模型が置かれているようでしたが、白い布で全体が覆い隠されていてうかがい知ることができません。
なんだ、なんだ、どこだ、どこだと将官らがザワつく中、満を持してといった感じに布を取り払う黒沼。
バサッ
目の前に登場したのはハワイ・オアフ島の巨大模型でした。
将官たちは予想だにしていなかった演習場所の登場に驚愕。
なんでハワイ?と言葉が出ない将官たちに山本が説明します。
この兵棋演習はハワイを攻めた場合を想定しての演習であることを…
それを聞いて将官たちのボルテージは一気にヒートアップ。
本当にハワイを攻めるのですか!
日本が米国であるハワイを!?
興味があります!
いったいどうやって攻め込むのですか!?
勝算はどれくらいですか!?等々…
矢継ぎ早に山本への質問が飛び交います。
山本は皆を黙らせ、ハワイ攻略を今から見せると説明。
黒沼の真横で山本の説明を聞いていた櫂。
この兵棋演習は山本と黒沼の真珠湾攻撃を机上の空論では終わらせない意思の表れだと感じます。
まずは連合艦隊の各将官たちにハワイ攻撃という選択肢が”アリ”だと証明、認識させたいのだと…
櫂は黙って知らん顔を決め込むつもりでしたが、黒沼がいきなり話しかけてきてビックリ。
なんと黒沼はハワイ攻略の意図、作戦の詳細説明を櫂に求めてきたのです。

アルキメデスの大戦239話の感想と考察
櫂のあずかり知らぬところで暗躍する山本たちの狙いが徐々に明らかとなってきました。
予想通り、「別の大和」は日米開戦のトリガー。
平山は自身のプライドのために「別の大和」建造にこだわっています。
そんな平山のプライドを利用しているのが山本。
山本は「別の大和」を米国に引き渡し、和平案を壊したいのです。
平山のプライドとかどうでもよく、単に変わりとなる「別の大和」が必要なだけ。
たとえ局地戦といえど、米国相手に勝てる見込みのある戦いが出来るならばやってみたいと思ってしまう、軍人特有の性が山本の目を曇らせているのでしょう。
櫂はどうにかして山本の目を覚まさせてやらなければなりません。
皮肉なことに山本の目を曇らせてしまったのは他ならぬ櫂なのですから…。
今回の兵棋演習ですが、櫂は連合艦隊が勝利する可能性を将官たちの前で示すのでしょうか?
それとも米国オアフ島守備隊が勝利する可能性を示すのでしょうか?
おそらく櫂は戦争回避のため全力で自分で自分の考えた作戦を否定することになるのでしょう。
しかし、それすら山本の望んでいることなのかもしれません。
万全には万全を期す。
櫂が指摘する作戦の不備、穴を改善、埋める狙いがあるのではないでしょうか。
そうなると、やはり予定通り「大和」を無事に完成させ、是が非でも米国に納入する以外に和平への道はなさそうです。
櫂は一刻も早く「別の大和」の存在に気付き、建造を阻止せねばなりませんね。
手掛かりは裏帳簿でしょうか…
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