2020年10月12日発売の週刊ヤングマガジン2020年46号で、『首を斬らねば分かるまい』46話が掲載されました。
『首を斬らねば分かるまい』46話は、全てを捨てて今度こそ結ばれた幸乃助と沙夜。
西南戦争も終わり、時代が終わると共に物語も終盤に向かいます。
本記事では、『首を斬らねば分かるまい』46話『時代の幕』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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首を斬らねば分かるまい46話のあらすじネタバレ
裸で手をつないだまま、雨の降る空を眺めていた幸乃助と沙夜。
沙夜の頬を伝うのは雨ではなく涙でした。
どうしたのかと幸乃助が聞くと、わからないと言いながらもその涙の正体を沙夜は考えました。
身分も生まれも全て忘れて人は己の道を歩んで行けるということを、やっと信じられたのかもしれないと沙夜は言いました。
その顔は実に晴れやかな笑顔で、幸乃助も二人で生きていっしょに生まれ変わろうと手を握ります。
今回は沙夜も幸乃助を信じ、きっと出来ると言い抱き合いました。
そんな二人を見ていたのは、政府軍の兵士達でした。
戦場で裸になって盛っている事に腹を立てている男、男だけ殺して女は犯そうと企む男とそれに続く二人の男。
銃を構え、歩みを進めるものの、その首は即座に切り落とされました。
邪魔しないでやってくれと、笑みを浮かべる桐野の刀による一太刀でした。
惚れた女の幸せに水を差したくないと言う桐野は、一人刀を振るい沙夜を守ろうと戦います。
例の『軟弱男』を見つけたら叩き斬ってやろうとしていた桐野でしたが、自分には引き出せなかった沙夜の笑顔を見たことで、敗北を認めました。
銃弾が肩や腹に当たろうとも、決して桐野は倒れませんでした。
怯まずに政府軍の兵を斬っていた桐野でしたが、額に命中した弾丸により最後は笑みを浮かべて力尽きてしまいました。
明治十年九月二十四日。
火力・兵力で政府軍に圧倒された西郷軍は敗走を繰り返し、鹿児島に戻り私学校を拠点としました。
西郷軍の兵はわずか四百人足らずとなってしまい、対して五万を超える政府軍がそれを包囲しました。
この戦争を終わらせるべく集中砲火を行ったことにより、西郷は負傷します。
ここで良いと言い諦めた表情の西郷ですが、戦いに敗れてもこの血は消えないと言う西郷。
戦った証は永遠に残り続け、何十、何百年経ってもこの国が傾き窮地に陥るたびにこの戦争で流された血を人々は思い出すと西郷は言います。
そして、短刀を自らの腹に突き立てました。
何かを変えるために命を賭して行動した魂を!! という叫びと共に自刃しました。
同席していた弟子達の涙が雨といっしょに流れ、『晋どん』と呼ばれた男が西郷の首を斬り落としました。
そんな背景もあった西南戦争は、政府軍の大勝によって終結しました。
翌年、明治十一年五月十四日。
馬車に乗っていた大久保利通は、突然その馬を斬られ襲撃にあいました。
西郷先生の恨み!! と叫ぶ士族の男達の凶刃によって下大久保利通もその生涯を終えました。
こうして一つの時代に幕が下ろされました。

首を斬らねば分かるまい46話の感想と考察
桐野は最期までかっこよかったです。
漢でした。
登場したときこそ三下のチンピラ感が漂っていましたが、話が進むにつれてどんどんいい男になっていきました。
恋愛は人を変えるというのは、幸乃助や沙夜にも言える事でしたが、桐野もその例に漏れませんでした。
やはり幸乃助を斬ろうとしていた気持ちはあったようですが、何を言ってもあまり笑ってはくれない沙夜の心の底からの笑顔を引き出した事によって、敗北を認めた桐野でした。
好きな相手が他の男と抱き合っている所を見て、それでも託せるというのは素晴らしいです。
いつから見ていたのかはわかりませんが、幸乃助と沙夜の行為中も見ていたのでしょうか。
もう本当に剣に生き剣に死のうとしか思えなくなるかもしれません。
西郷が自刃するとき、この戦った証は永遠に残り続けるという言葉を読んだとき、歴史の勉強をちゃんとしておけば良かったなと思いました。
学校のテストや成績の為に勉強するのでは無く、過去に命を掛けた人たちの思いや生き様を理解して伝えて行くことこそが『歴史』の勉強なのではないかと思いました。
この時の『晋どん』は高杉晋作なのかと思い、調べてみましたがこの二人は会ったことも無いという説もあり、違うのかもしれません。
戦争は終結し、大久保利通が馬車で襲撃されるシーンでは某流浪人作品を思い出しました。
大久保利通が襲撃によって命を亡くすのは史実なのかもしれませんが、某作品の方では西郷軍の生き残りではなく全く別な組織の犯行でした。
あの後幸乃助達は戦線を離脱したのでしょうか。
次号は最終回のようなので、その辺りも描かれると思います。
もしかしたらその後二人の姿を見たものはいない……的な終わりで
達臣による語りで終わるという可能性もありますが、幼馴染みで沙夜の命まで狙った五稜晴美がどうなっているかなど、気になる事はまだありますが、桐野同様に、沙夜が幸せならそれで良かったと最後まで見届けましょう。
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