2020年9月17日発売の週刊ヤングジャンプ2020年42号で、『少年のアビス』25話が掲載されました。
『少年のアビス』25話は、令児の母と似非森が同級生という話をしたときに、驚きを見せたナギ。
結局令児は何に驚いたのか聞けずじまいでしたが、翌日似非森について一つの真実を知ることになりました。
本記事では、『少年のアビス』25話『再びの欲望』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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少年のアビス25話のあらすじネタバレ
似非森と令児の母親が同級生であり、似非森が悪い男だと言われたという話を令児がしたとき、いつもの静かなナギの表情は一瞬驚いた表情になりました。
令児がそれを追求しようとしましたが、またいつもの落ち着いた表情に戻ったナギはそんな偶然あるんだねと、まるで興味も無い様子です。
初めて見るナギの反応に、何にそんなに驚いたのかと、令児は気になって仕方がありません。
煙草を消し、何を言うわけでもなく立っているナギの背後から、令児はキスを迫ります。
拒否もしないナギは応えると、令児の手はナギの胸へと伸び、キャミソールを脱がせます。
担任である柴ちゃんと経験を重ねてきたせいで、初体験だった前回とは随分違うと言われてしまいます。
令児の手もその言葉に止まってしまいました。
続きをしようよと誘うナギでしたが、令児はもう帰らないと言って誘いには乗りませんでした。
ナギはそれを引き留めようとはしません。
その無言の背中に、令児は今度二人でどこかに行こうと提案します。
どこに行くのかと聞かれた令児はしどろもどろになりながら、『情死ヶ淵』を提案します。
前回は見つけられなかったから、予行練習に……と言う令児に、ナギは心中の予行練習ということに吹き出し、いつにする? と誘いに乗ってくれました。
翌日、図書館で数冊並ぶ似非森浩作の棚から『春の棺』を手にした令児。
その作中に書いてある、上月川の上流で枝分かれした鳴川をさらに渡って溝沢神社の少し手前という場所で、離れ離れにならないように真っ赤な紐で二人の手を結んだ骸が見つかり、そこが『情死ヶ淵』と呼ばれるようになったことを知りました。
スマホでその場所の地図を見てみると、溝沢神社というものは存在しませんでした。
詳しく載っている地図を探してみようと歩いていると、新聞を読んでいる男の姿が目に留まりました。
そこで令児は古い新聞があるかを職員に尋ねました。
それは、地図を探すためではなく、17歳の時に心中未遂した似非森の事を調べる為でした。
毎日発行される為、縮刷版とはいえ一年分の新聞記事を前に、令児はこれを全部調べるのかと少し憂鬱そうです。
『春の棺』という名前から。まずは3月分の記事を見てみることにした令児。
母が『悪い男』と呼ぶ似非森浩作。
チャコは心中相手だけが死んだと聞き、夫婦でありながらナギはセックスをしたことが無いというその謎の多い男の正体は一体何者なにかと令児は新聞記事をめくります。
手を止めたそのページには、『高2男子・遺体発見』という見出しと共に、上月川上流で恋人と心中か? と書いてありました。
記事によれば、数日前から恋人と心中すると友人に言っていた男子生徒。
心中に反対したが、一緒に死なないなら殺すと脅されどうしようもなかったと証言する生存した恋人の女子生徒。
話の食い違いに令児はただ驚くばかりでした。

少年のアビス25話の感想と考察
段々と話が膨らみ、歪み、そしてさらに闇が深みを増したように思えます。
冒頭から、結局ナギが何に対して驚いたのかはわからずじまいでした。
既に経験があるせいか、躊躇無く身体を求める令児でしたが、担任とやっていると前回話した事もあり、『こないだと随分違う』という言葉の意味は令児を刺したように見えました。
担任とやってお金を貰っているうえに助けて貰うというのに、そのお金でチャコと一緒に東京に行く自分が嫌だと言っていた令児。
自分が罪悪感や軽蔑している行為を見られたようで、令児は手を止めたのかもしれません。
令児は何も考えず、柴ちゃんと普段しているままにやってしまったのかもしれません。
死なないと前回宣言したにも関わらず、心中の予行演習をほのめかす令児にナギはようやく笑ってくれました。
ナギの様子を見るに、生きたい理由も死にたい理由も無いというわりには死にたい方向に行きたがっているようにもみえました。
もしも二人で出かけたのなら、今度はばったりチャコと遭遇する展開もあるかもしれません。
そんな事を思いながら読んでいると、図書館に行った令児は『春の棺』を手に取りました。
スマホでは検索できなかった作中の神社は架空のものなのか、スマホの地図では見られないほど小さなものなのでしょうか。
それでも探そうとした令児は、新聞で似非森の心中を調べようということで脇道に逸れてしまいました。
しかし、ここではもっと重要な事実を見つけてしまいました。
死んだのは男の方であり、恋人の女子生徒は生きていました。
話と食い違いが起きてしまい、それなら自分の話を書いたとチャコに言った『似非森浩作』とは一体誰なのでしょうか。
亡くなった男子生徒の友人説が浮かびましたが、それなら何故チャコに自分の話と言ったのかわかりません。
令児やチャコの東京への脱出の他に、『似非森浩作』という男の謎がこの作品の中で大きくなってきました。
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