2019年11月2日発売のヤングマガジン2019年49号で、『アルキメデスの大戦 』第192話が掲載されました。
『アルキメデスの大戦』第192話 は、日米和平協議のクライマックスともいえる内容です。
櫂がマッカーサーに焚き付けられてからもう何週間待ったでしょう・・・
やっと櫂の”解”がお披露目されます。
陸軍側の譲歩案も相当に思い切ったものですが、櫂の譲歩案も相当なもの。
アルキメデスの大戦は史実をベースに描かれつつ、パラレルワールドの日本を描こうとしています。
今話はそのパラレルワールド的な面白さの醍醐味が味わえる回ではないでしょうか。
歴史に〔もしも〕がないことは重々承知していますが、ついつい現実の史実でこんなだったら現在はどうなっただろうと思わずにはいられません。
しっかし、ここに来て再びあの怪物の存在がクローズアップされるとは・・・
本記事では、『アルキメデスの大戦』第192話「最終協議開幕」のあらすじと感想を紹介していきます
※ここから先はネタバレ注意です。
<< 前話 | 一覧 | 次話 >> |
アルキメデスの大戦192話のあらすじネタバレ
〔1939年11月6日 第8回(最終)日米和平協議〕
まずは牟田口少将が日本陸軍からの新しい提案をアメリカ側に提示。
それは日本が保有する南満州鉄道の株式の売却提案でした。
しかも49%もの株式!
これを聞いた米国側は騒然。
国務長官ハルは、あの頑な牟田口が歩み寄りを見せたコトにも驚きを隠せません。
日本側は売却目的も説明します。
この株式譲渡を契機に米国の満州関与を認め、経済活動の規制を緩和。
そして日米協力のもと、共産勢力ソ連の南下を阻止する。
米国側は一旦会議を中断し、協議の時間を要求。
日本側はこれを承認します。
〔米国側協議〕
別室に移った米国側協議団は日本側の譲歩を大きく受け止めていました。
49%の株式を取得できれば議決権も得られ、経営陣に役員を送り込むことも可能。
そして最も重要なのは、南満州鉄道を足掛かりに中国大陸で経済活動ができること。
これは大きな利益となります。
しかし米国としては表向き儲け話に乗ったように見られては困るのです。
あくまで満州国を認めずの姿勢を見せねばなりません。
そこで大義に反さないことにする悪知恵を思いつきます。
南満州鉄道の株式取得は、経営に関与することで日本の権益を徐々に剥奪していく”段階的措置”であると。
あくまで満州国は認めない体でいながら、儲けに繋がる話にはキッチリ乗っかる米国。
日本から得られる利益など微々たるもの。
しかし、中国大陸から得られる利益となると話は別という訳です。
櫂の読み通り、米国は自国の利益第一でした。
海軍は株取得案に賛成の意を表明。
マッカーサーは櫂に協議をまとめるには画期的なアイデアが日本側から提示することが必要だとアドバイスしていました。
株式を譲渡することで満州国の延命を図る今回の櫂のアイデアを認めるマッカーサー。
しかし和平交渉をまとめるにはこれだけでは不十分ではないのかとも・・・
陸軍も株取得案に賛成したことで、ハルはこの買収案に応じる決断を下します。
〔日米和平協議・再開〕
会場に戻った米国側は日本側に株式の買い取りを承諾する旨を伝えます。
日本側は売買の成立を確認。
櫂の読みは当たっていました。
ハルやルーズベルトは戦争を望んでいるが、陸軍と海軍は戦争を望んではいない。
陸軍はドイツと日本、同時に戦争を行う事は避けたいし、海軍はあの”戦艦”と戦うことを避けたい。
つまり米国陸海軍は和平を結びたいのだと。
膠着状態の続いていた和平協議ですが、米国側に楔を打つことに成功した今こそ好機。
櫂はここで一気に畳みかけます。
日本海軍からも提案があるといい、鞄からある図面を取り出す櫂。
図面を米国側協議団の机上に広げます。
それは現在着工中の巨大戦艦の一般艤装図でした。
最新式のガスタービン動力。
世界初となる誘導式ロケット弾の主兵装。
日本海軍の最終兵器ともいえる戦艦の艤装を説明し、これが建造中である事を示す証拠写真までを提示。
一通り戦艦の説明を終えた櫂はその場の誰もが驚く提案を米国側にします。
それは・・・
この最新式巨大戦艦の米国への売却!

アルキメデスの大戦192話の感想と考察
なるほど!なるほどねって感想です。
櫂が自由の女神を見て思いついたのはコレだったんですね。
予想では日本に米国の欲しがるものなんて兵器データ以外にないと思っていました。
まさか兵器、それも戦艦そのものとは・・・ちょっと驚きでした。
櫂のやろうとしていることは軍事同盟に近いものがありますよね。
自由の女神と違って戦艦は兵器です。
しかも日本側からすると秘密兵器な訳です。
それを米国に売却するという事は手の内を見せるようなもの。
もっといえば、資源のない日本が虎の子の戦艦を売却するというのは、銃を手放して両手を上げているようなものでしょう。
つまり米国に対して敵意の無いことを最大限表しているのです。
確かにこれだけ日本側が譲歩して和平協議をまとめようとしているわけですから、米国がそれを無下にするわけにはいかないでしょう。
なにより、株式取得も戦艦取得も両方とも米国にとっては利益。
しかし、だからといって米国がすんなり日本との戦争を諦める訳がありません。
今回は日本側にとってあくまで延命措置程度の猶予を米国から引き出すことが精いっぱいでしょうね。
なぜなら、米国が戦争をしたい理由の裏にはイギリスやソ連がいて、ナチスがいます。
アジアの権益も欲しいが、ヨーロッパの権益はもっと欲しいのが米国。
戦争に不介入を表向きで叫び、ルーズベルトは選挙戦をしています。
戦争に介入するには大義ときっかけが欲しい米国にとって、日本はやはり最適なのです。
<< 前話 | 一覧 | 次話 >> |